障害福祉サービスの開業は、法人設立や資金調達だけでは進みません。
次に立ちはだかるのが、指定権者(自治体)との事前相談です。
「物件も決まったし、申請すれば通るはず」
そう思っていたのに、自治体から「今は受け付けていません」と言われた――そんなケースが後を絶ちません。
事前相談は、制度の壁を越える“最初の関門”。
ここでつまずくかどうかが、開業の成否を左右します。
👉 制度の壁については、第1回記事『障害福祉サービス開業は自由じゃない?』をご覧ください。
なぜ障害福祉サービス開業には事前相談が必要なのか?
障害福祉サービスは、地域の障害福祉計画に基づいて整備されます。
自治体は、以下の観点から新規開業の必要性を判断します:
- 地域ニーズとの整合性
- 既存施設の充足度
- 支援の質の担保と偏り防止
つまり、開業は「制度に合っているか」ではなく、**「地域に必要かどうか」**で判断されるのです。
事前相談で押さえるべき5つのポイントとは?
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ① 相談のタイミング | 法人設立前でもOK。物件確定前が理想 |
| ② 相談資料の準備 | 事業計画書・地域ニーズ・施設概要など |
| ③ 言い回しと姿勢 | 「開業したい」ではなく「地域に必要か確認したい」 |
| ④ 地域ニーズとの整合性 | 障害福祉計画・施設充足度との照合が必須 |
| ⑤ 継続的な対話 | 一度で決まらない。複数回の相談を前提にする |
相談は“申請の前段階”ではなく、“制度との接点”。
ここでの対話が、開業の道を開く鍵になります。
事前相談でよくある失敗とその改善策は?
- 「物件が決まったので申請したい」→ タイミングが遅い
- 「補助金があるから開業したい」→ 指定権者は制度の整合性を重視
- 「開業したいので許可してほしい」→ 指定は“申請”ではなく“制度との整合性の確認”
制度は明文化されていても、運用は“空気”で決まることがある。
条文だけでは通らない。自治体の“納得感”が必要です。
どうすれば“現場で通る相談の設計”ができるのか?
指定権者との事前相談は、制度の壁を越える“対話力”が問われる場です。
報酬告示や法令ばかりを並べても、自治体側は「この人は現場を知らない」と感じてしまいます。
逆に、地域のニーズや既存施設とのバランスを踏まえ、
「この支援が地域に必要かどうか、相談させてください」と話すと、対話の空気が一変します。
現場で通る相談には、以下のような工夫が効果的です:
- 制度の言葉を並べすぎない
- 実現可能性を示す(職員配置・物件条件など)
- “お願い”ではなく“確認”の姿勢で臨む
- 支援の方向性や事業構想は、自治体との相談時に資料として整理しておくとスムーズです
制度を理解するだけでは足りない。
“伝え方”と“姿勢”が、相談の通りやすさを左右します。
事前相談の準備項目をチェックリストで確認しよう
✅ 障害福祉計画の確認
✅ 地域の施設充足度の把握
✅ 事業計画書の作成
✅ 相談資料の整備(物件概要・人員配置案)
✅ 相談時の言い回しの整理
✅ 継続的な相談スケジュールの設計
👉 法人設立や資金調達の準備については、第2回記事『障害福祉サービス開業に必要な法人設立と資金調達の基本』で詳しく解説しています。
なぜ制度に通すには“対話力”が必要なのか?
制度を理解したら、次は“対話力”が問われます。
指定権者との事前相談は、開業の成否を分ける最初の関門。
今こそ、現場で通る相談の準備を始めましょう。
指定権者との事前相談に関するよくある質問
Q1:指定権者との事前相談はいつ行えばいいですか?
A1:法人設立前でも可能です。物件が確定する前の段階で相談するのが理想です。
Q2:相談時に必要な資料は何ですか?
A2:事業計画書、地域ニーズの分析、物件概要、人員配置案などが有効です。
Q3:相談ではどんな言い方をすればいいですか?
A3:「開業したい」ではなく、「地域に必要かどうか確認したい」という姿勢で臨むと、対話がスムーズになります。
Q4:自治体の審査基準はどこで確認できますか?
A4:多くの自治体は公式サイトに審査基準を掲載しています。ただし、運用は職員によって異なる場合があるため、直接の相談が重要です。
👉 障害福祉サービスの制度全体については、まとめページをご覧ください。
次に読むべき記事
- 法人設立と資金調達の基本(第2回)
- 障害福祉サービス開業の制度的背景(第1回)
- 障害福祉まとめページ→(記事はこちら)
👉第4回:障害福祉サービス開業で失敗しない物件選定と設備基準の落とし穴はこちらからご覧ください
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